ホーム > ホームセキュリティ > 月水金フラッシュニュース > 月水金フラッシュニュース・バックナンバー > 首都圏の電車内痴漢は1日に7件程度
警視庁によると、痴漢犯罪の発生場所は電車内が圧倒的に多く、全体の72%を占めます。また、発生時刻では朝の8時台にピークがあります。まさに、通勤・通学時のラッシュ状況での犯行が多いのです。
警察庁は、電車内での痴漢被害件数を初めて集計しました。東京、神奈川、千葉、埼玉の4都県だけで、2008年に2400件を超えているとのことです。刑法犯の強制わいせつ罪と、それぞれの自治体の迷惑防止条例違反を合わせた数字のようです。1日に7件弱の被害が出ている計算になりますが、実際はもっと多いと考えられます。痴漢被害は都市部に多く、首都圏の主要路線が走る4都県だけで全国の7割程度の件数があると見られています。大阪圏、名古屋圏を合わせたら、相当な割合になることも考えられます。
ガラガラの車内での犯行はあまり考えられないので、混雑していることが痴漢発生の条件かと思いましたが、単に混雑しているだけではなさそうです。混雑のレベルでワースト1といえば、山手線外周りの上野〜御徒町です。筆者も毎日この電車に乗っていますが、特に、駅の階段に近い部分などは相当な混雑です。
警視庁の「電車内における痴漢犯罪の実態」という資料にある、路線別被害状況によると、山手線はワースト1ではありません。1位は埼京線、2位が中央線となっています。
一方、国土交通省の調べによる混雑レベルでは、埼京線は6位、中央線は3位であり、混雑レベルだけが高くても痴漢が出やすいとは限らないようです。痴漢発生上位の路線は、快速電車が走っており、混雑とその混雑がある程度続くというシチュエーションが起こりやすい路線と言えそうです。その意味でも、埼京線、中央線は、この条件に合致しているといえます。
自宅あるいは職場・学校などがその路線にある以上、利用せざるを得ませんが、女性専用車両に乗ったり、痴漢が多いと言われるドア付近を避けたり、同性が多い付近に乗ったりすることで、被害に遭わないように予防することも可能です。先に示しましたが、階段付近は混雑するので、そこを避けるということも有効でしょう。
そのほか、防犯ブザーをバッグにぶらさげておくだけでも、防犯意識の高さを周囲にアピールでき、痴漢対策として有効です。
警視庁では、「痴漢被害STOP!キャンペーン」を先月行い、キャンペーン初日に電車内で逮捕されるという事案もありました。今回の4都県警が連携し、集中取り締まり期間を設けたり、被害状況について情報を共有したりすることで、摘発が一層進み、痴漢という卑劣な犯罪が少しでも減少することを期待したいものです。
セコムでは、女性社員を中心に「働く女性の安全委員会」を立ち上げています。このメンバーによる「女性のためのあんしんライフnavi」というWebサイトでも、痴漢対策に関する情報を発信しています。
(参考)
・こんな時どうする?防犯対策ファイル痴漢対策(女性のためのあんしんライフnavi)
セコムIS研究所
セキュリティコンサルティンググループ
濱田 宏彰
痴漢犯罪の発生場所
(警察庁 2008年)
痴漢犯罪の路線別被害状況
(警視庁調べ 電車内における痴漢犯罪の実態)
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