ホーム > ホームセキュリティ > 月水金フラッシュニュース > 月水金フラッシュニュース・バックナンバー > 詐欺師の使う話術から身を守る方法
あけましておめでとうございます。本年も「月水金フラッシュニュース」をよろしくお願い致します。
この年末年始は長い休みが取りにくい曜日配置でしたが、それでも多くの方が帰省されたのではないかと思います。実は、帰省で親御さんに顔を見せることが、シニアの方が騙されることの多いオレオレ詐欺を防ぐために、多少なりとも効いてくるのです。
人は、意志決定を行う際に、必ず何らかの情報をもとに自らの判断基準と照らし合わせてその意志を決めます。詐欺師は、人の持つ意志決定のこのメカニズムを熟知しており、被害者に与える情報をたくみに操って、自らの得になるように仕向けます。一見本当のように見えるウソの情報を被害者に与え、それをもとに意志決定をするように働きかけて、自らに金銭が渡るように振る舞うのです。
ウソの情報によって、意志決定を行った被害者は、いわば「魔法にかかった状態」であるかのように、詐欺師にお金を渡してしまいます。銀行窓口で、銀行員が制止したのにも関わらず、お金を振り込んでしまったというニュースを耳にすることがありますが、どうすればこのような被害を止めることができるのでしょうか?
詐欺師にウソの情報を信じ込まされ、魔法にかかったのごとく行動しようとする人を、その状態から解くのに必要なことは、その人に対して「正しい情報・正しい判断基準を与えること」です。銀行員が制止しても、なお金を振り込もうとする人であっても、「息子や孫から自分は窮地に陥っていない、お金を振り込んでと頼んでいない」という正しい情報が提供されれば、詐欺師のかけた魔法はたちどころに解けます。
帰省で親御さんに顔を見せ、近況を報告することは、親御さんに対して「正しい情報・正しい判断基準を与えること」につながります。さらに、その際「自分から『お金をすぐに振り込んで』ということは決してない」ということを告げてあれば、騙されることはさらに少なくなることでしょう。
どのような種類の詐欺であれ、詐欺師は言葉をたくみに操ってウソの情報を信じ込ませ、自らにお金が渡るように仕組みます。これが、彼らの使う話術の正体なのです。繰り返しになりますが、「正しい情報・正しい判断基準を持つこと」こそが詐欺の被害にあわない要諦となります。もし、今回の年末年始に帰省されていないのなら、親御さんに電話でもかけて声を聞かせて、近況報告をしてみてはどうでしょうか。
セコムIS研究所
セキュリティコンサルティンググループ
甘利 康文
子どもの安全ブログ | おとなの安心倶楽部 |
女性のためのあんしんライフnavi |