ホーム > ホームセキュリティ > 月水金フラッシュニュース > 月水金フラッシュニュース・バックナンバー > 大阪府のひったくりがワースト2位へ
警察庁が毎月発表する「犯罪統計資料」によると、これまで長きにわたって「ひったくりワースト1位」を掲げていた大阪府が2位に"転落"しました。
1976年からずっとワースト1位でした。今年に入ってからも7月までは全国で最もひったくりが多い状況が続いていました。しかし8月になると1位の座を千葉に譲り渡し、2位となったのです。その差わずかに4件です。大阪府のひったくりが1551件に対し、千葉県が1555件でした。
34年も続いたワースト1位が、自然に2位になったとは考えられません。大阪府警、大阪府、府民の努力があってこそできたことと思います。実際に、ひったくりを含む街頭犯罪全体の減少をめざして、大阪府警を中心にさまざまな団体、企業とともに防犯活動を続けてきたようです。ひったくりそのものを対象にした活動をしているケースの他に、子どもの防犯についての活動をしているケース、振り込め詐欺を対象にしたケース、自動車のナンバープレートの盗難防止を対象にしたケースなど、他の街頭犯罪を対象にしたもので、直接ひったくりと関係ない防犯活動も見られます。
しかしながら、地域全体・社会全体で犯罪に立ち向かおうという姿勢が、ひったくりの犯人に対する心理的圧迫感を作り出したものと考えられます。環境犯罪学の考え方の一つに「割れ窓理論」というものがあります。たった1枚の割れ窓の存在が、治安の崩壊につながるという考え方です。ちょっとした荒れがあることで、「多少の悪さをしても誰も気にしないだろう」という意識が芽生えてしまいます。それを抑えこむために、荒れ(割れ窓)をなくすことが大きな犯罪をなくすことにつながるのです。
今回の大阪のケースでも、あらゆる犯罪に目を向けたことが、結果として「ひったくりワースト1位」を返上することができたのだと考えることもできます。犯罪の発生する場所には、さまざまな要因があると思います。それらの小さなものまでを含めた要因を取り除いていくことが、防犯の基本とも言えそうです。皆さんのお住まいの周辺でも、"割れ窓"ができないように住民同士で目を光らせてください。地域の清掃、落書きの消去など、直接には犯罪とは関係ないようなことも、実は防犯に効果的なのです。
セコムIS研究所
セキュリティコンサルティンググループ
濱田宏彰
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