ホーム > ホームセキュリティ > 月水金フラッシュニュース > 月水金フラッシュニュース・バックナンバー > イヤホンで音楽を聞きながらの歩行は危険
今や、利用している人を見ない日はないというくらいに普及している、携帯音楽プレーヤー。30年ほど前にカセットテープから始まり、CDになり、MDになり、ついにはメカ部分がなくなり半導体メモリーに音楽を入れて持ち歩くことができるようになりました。
あまりにも小さくなってしまったため、ポケットに入れていても気がつかず、そのまま洗濯機で洗ってしまったという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
非常に軽く小さくなったこともあり、どのようなシーンでも音楽を聞きながら過ごせるようになりました。ところが今、この便利さが大きな問題となりつつあります。
音楽に気を取られて注意散漫に
最近、イヤホンで音楽を聞いていた人が事件や事故に遭うケースが増えているようです。深夜、帰宅途中の路上で女子大学生が背後から襲われたり、自宅の玄関を開けようとした女子大学生が背後から襲われたりしています。おそらく、音楽に集中するあまりに、周りの状況にまったく気がつかなかったのではないかと思います。ケータイ画面や携帯型ゲーム機などを注視することも、同様に注意が散漫になり非常に危険です。
わいせつ犯罪増加中
警察庁の統計を見ると、犯罪全体の件数は減少傾向にあります。しかし、わいせつ犯罪は、増加しています。2009年まで減少傾向だったものが、2010年からやや増加基調となっています。音楽を聞きながらの行動との関係までは調べていませんが、何か関連性があるかもしれません。
一方、月別でのわいせつ犯罪件数を示したものが右の図ですが、夏の件数が多くなっています。例年、6月くらいに1年間のピークを迎え、8月に少し落ち着いて、9月くらいに再度ピークになります。つまり、今月あたりは1年間のうちで2番目に被害の多い月といえ、まだまだ注意が必要です。わいせつ犯罪の被害者は、多くの場合女性です。夜道や人気の少ない場所では、音楽は我慢して周りに気を配ることに専念してください。
イヤホンは、不審者の目印に
犯人の中では、周囲への注意がおろそかになっている、音楽を聞きながら歩いている人をあえて狙ったという犯人もいます。こういったケースは、わいせつ犯罪のほか、ひったくりなどのターゲットにもなり得ます。
周りへの注意が低下するという意味では、自転車に乗るときもイヤホンはやめた方がよいでしょう。後ろから近づいてきた不審者に気づかずに、追い越しざまに襲われたというケースもあります。また、踏切の警報音に気がつかずに列車にひかれるという事故も起きています。
便利だが社会のルールを考えて
小さな音楽プレーヤーは、いつでもどこでも好きな音楽が聞けて便利で楽しいツールですが、時と場合によっては事件や事故を誘発することもあります。「音楽を聞きながらでも、自分は大丈夫」と思っていても、周りから見ると隙があるように見えてしまうこともあります。
楽しい音楽が、楽しくない事件・事故に発展しないためにも、時と場所をわきまえて使うようにしましょう。
(参考)
・イヤホン使用による聴覚感度の低下の体感サンプル音(東京都生活文化局)
・安心豆知識「「社会」はルールを定めることからはじまる」
セコムIS研究所
セキュリティコンサルティンググループ
濱田宏彰
月ごとのわいせつ犯罪件数の推移
(警察庁)
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