ホーム > ホームセキュリティ > 月水金フラッシュニュース > 月水金フラッシュニュース・バックナンバー > 個人が所有するパソコンがサイバー攻撃の踏み台に
皆さんのご家庭のパソコンは、ウイルス対策などのセキュリティ対策を十分に行っていますか。外部からの侵入を許すと、あなたのパソコンが踏み台にされて、犯罪に加担してしまう可能性があります。
あなたのパソコンに第三者が攻撃用のソフトを仕掛け、あたかもあなたのパソコンが悪事を働いているように見せかけるのです。
これまでは、企業のコンピュータなどが攻撃の踏み台として使われることがありましたが、今回初めて、個人で所有しているパソコンが攻撃に利用されたことがわかりました。
個人のパソコンが悪用される
今年3月に、韓国の政府機関など40のサーバーに対して、サイバー攻撃(DDos攻撃)が行われ、いくつかのサーバーに障害が発生しました。この事件に関して韓国当局が捜査を行ったところ、日本からのアタックが4つ見つかり、ICPO(国際刑事警察機構)を通じて警察庁に捜査協力要請が入っていました。
警察庁で捜査を行ったところ、3台のコンピュータが犯罪に加担していた可能性が高いことがわかり、そのうち1台は、個人所有のパソコンだったのです。
年々増加するサイバー犯罪
先日、警察庁から発表された「平成23年上半期のサイバー犯罪の検挙状況等について」によると、今年上半期のサイバー犯罪の検挙件数は2,513件で、前年同期比で2.8%のマイナスでした。
しかし、今回の事件のような不正アクセス禁止法違反は、前年同期比で16.5%のプラスとなっています。また、警察に寄せられるサイバー犯罪に関する相談件数は、40,643件と前年同時期に比べて1割ほど増加しています。右の図のように、不正アクセスなどに関する相談件数も右肩上がりとなっています。
セキュリティレベルの低いところが狙われる
今回、個人で所有しているパソコンが、攻撃の踏み台として利用されたことが初めて判明しました。捜査で浮上した3台のコンピュータは、ウイルス対策がなされていなかったり、古いOSを使用していたりと、セキュリティレベルが低い状態でした。このような状態で使用を続けると、知らない間に乗っ取られてしまい、犯罪に加担してしまうこともあるのです。
2009年8月12日のコラムでも書かせていただきましたが、ウイルス対策ソフトおよびOSの定期的なアップデートを行うとともに、パーソナルファイアウォール(部外者が無断で個人用のパソコンに侵入できないように防御するシステム)機能を利用してください。
さらに、パソコンとモデムを直結せずに、ルーターを間に挟むなどの対策も外部からの攻撃には有効に働きます。最近は、ルーターの価格も非常に安くなっていますので、ぜひとも導入していただきたいと思います。
(参考)
・データから読む「およそ30万台のパソコンがサイバー犯罪に加担している可能性」(2009年8月12日)
・総務省・経済産業省 サイバークリーンセンター
・セコムトラストシステムズ「セコム不正侵入検知/予防サービス」
・3月の韓国政府機関等に対するサイバー攻撃への対応について(警察庁)
セコムIS研究所
セキュリティコンサルティンググループ
濱田宏彰
不正アクセスなどに関する
相談件数の推移
(警察庁、各年上半期)
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