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セキュリティの手段としての広報 おみごと!DJポリス

その夜、渋谷は興奮のるつぼだった
 その夜、東京渋谷のスクランブル交差点は、高揚した人々が集まり、興奮のるつぼになっていました。日本がサッカーワールドカップの予選を突破し、ブラジルで行われる本戦へのチケットを手に入れた夜でした。躁状態に入った人々は、誰彼となくハイタッチを繰り返し、ひとつ間違えば、将棋倒しなどの大きな事故につながる可能性もありました。

事故を未然に防いだ「正義の味方」がいた
 しかし、状況は大きなトラブルに発展することなく無事収拾されました。群衆が繰り出すことを想定していた警察が、そこにいる人々の琴線に触れる雑踏警備を展開したからです。
 異様な興奮状態に入った群衆に積極的に働きかけ、事態を大過なく収めた警察官のアナウンスは、報道で取り上げられ、またネットでは「DJポリス」とも呼ばれて話題にもなりました。そのため記憶に残っている方も多いことでしょう。

セキュリティスタッフが人々の側に立つ重要性
 過去、本コラムにおいて、「監視」と「見守り」の違いについて考えたことがあります。その際には「見る側の立ち位置」が、見られる人々側の立場にある場合は「見守り」であり、反対の立場の場合は「監視」となるのではないかという筆者の見解について紹介させていただきましたが、今回は、この「DJポリス」氏のアナウンスを引きながら、「セキュリティスタッフが人々の側に立つ意味」と、セキュリティ実現手段としての「広報」について考えてみたいと思います。

雑踏警備とにらみ合い
 通常の雑踏警備では、不特定多数の人々が群集心理からまずい行動を起こすことを警戒する立場からの備えが行われます。すなわち、警備する側とされる側の人々とは、相対する関係にあり、「監視」的観点から警備が行われるということです。これは一種の「にらみ合い」状態でもあり、たとえトラブルを避けることができたとしても、人々の心の中に、一種の反感にも似た感情を引き起こす可能性を否定できません。

これぞ名人技!
 筆者は、今回のアナウンスの中の白眉は、「怖い顔をしたおまわりさんも、心の中ではワールドカップ出場を喜んでいます」に尽きているのではないかと考えています。
「怖い顔をしたおまわりさんも、心の中ではワールドカップ出場を喜んでいます」というのは、「私たちは皆さんの仲間であり、同じ側の人ですよ」というメッセージそのものです。これは、警備する側の警察と、される側である群衆の間にある、心理的な壁を溶かしたことは想像に難くありません。
 また、「サポーターのみなさんは12番目の選手でもあります。ルールとマナーを守ってフェアプレーで今日の喜びを分かち合いましょう」とも。サッカーで高揚した人々の心に染みこむ言葉を選び、同じ仲間として注意を与えていたのです。
 それでも、行く手を阻まれた車に寄りかかるなど、ついつい行きすぎた行動をとる人間に対しては、「そういう行動はイエローカードです」といった形で、サッカーのルールにちなんだ言葉を使ってやんわりと牽制、警告するなど、常に「皆さんの側に立っていること」を意識させるように意識したアナウンスを行っていました。すなわち「自分たちの行っている行為は『監視』ではなく、『見守り』ですよ」ということを、言葉のはしばしから感じ取れる形でのアナウンスを行っていたわけです。

名人技の持ち主は警察官に限らない
 社会のセキュリティを担う人々は警察官に限りません。過去、中東地区にPKOで自衛官が行ったことを記憶されている方も多いかと思います。その際、自衛官は現地の風習などを十分に学習し、いかに現地の人々に溶け込むかについて心を砕いたということでした。文化交流などの、さまざまな広報活動を通して現地に溶け込み、周りにいる人々に「自分たちの側にいる人々なのだ」ということを理解してもらうことで、さまざまな活動がやりやすくなったと聞いています。これら一連の活動は、結果として、国際的な日本の評判を高めることにつながりました。

広報はセキュリティ確保のための重要な手段のひとつ
「安心」は、人々がさまざまな活動をするのに欠かせない「心の状態」です。社会が安心を求める度合いは、以前より大きくなってきています。DJポリス氏が、アナウンスという形で展開した広報活動は、警察が人々の側に立ち、「安心」を提供する役割であることを人々にアピールし、その場所のセキュリティの維持に貢献する優れたものでした。
 最後に、過去のコラムで、セキュリティには見せる側面があることについて触れたことがあります。人々に、安心を提供する側の立場を伝え、いかに協力的な行動を取ってもらうかは、セキュリティを提供する側の広報にかかるところも大きいのです。これは、民間の立場からセキュリティを提供する場合についても言えることです。今回の一件は、セキュリティ実現のための有力な手段のひとつに、広報があるということが説明できる状況であったと思います。

(参考)
安心豆知識「見守りと監視の違いとは」
安心豆知識「セキュリティスタッフの第一印象」

セコムIS研究所
リスクマネジメントグループ
甘利康文

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