ホーム > ホームセキュリティ > 月水金フラッシュニュース > 月水金フラッシュニュース・バックナンバー > 「おばけ」が科学の大元に?
暑中お見舞い申し上げます。暑い日が続きますが、皆さんお元気でお過ごしでしょうか。
・夏定番のイベント
いよいよ学校も夏休みに入り、テーマパークや遊園地などでは子ども達の元気な歓声が聞こえてくるころでしょう。テーマパークや遊園地などの夏の定番アトラクションに「おばけ屋敷」があります。また、おばけ屋敷のほかにも、「肝試し」や「怪談」など、夏の「怖い思い出」がある方も少なくないものと思います。
・「おばけ」の研究?
この夏定番の「おばけ」ですが、発明王として知られるエジソンは、晩年には「あの世」との通信方法を開発すべく試行錯誤していたそうです。また、救急対応が必要な、アレルギーの重篤症状である「アナフィラキシー・ショック」の研究でノーベル賞を受賞した生理学者、シャルル・ロベール・リシェも、生理学の研究と共に「おばけ」の研究をしていたことでも知られています。
「おばけ」の研究というとキワモノかと思われる方もおられるかと思いますが、磁気や、静電気、赤外線や紫外線、超音波など、目に見えない現象の多くは、当初「おばけ」と同様の摩訶不思議なものと捉えられていたできごとが、さまざまな試行錯誤によってやがて科学的にその原理が解明され、人が使える技術にまでなったものなのです。
このような形で発達してきた科学技術は枚挙にいとまがありません。現代医療をささえている薬の中にも、はじめは、特定の症状に効く植物などが経験的に見つけられ、なぜ効くのかは分からないながらも、薬草などとして使われていたものが多く存在します。やがて、その有効成分が科学的に検証され、薬効成分が抽出されて「薬学」の進歩に貢献した薬草は少なくないということです。
・ウナギが「食べる」以外で役立ったこととは?
明日は「土用の丑(うし)の日」、日本では夏負けしないように「ウナギを食べる日」として知られていますが、このウナギの血は、実は、人をはじめとする哺乳類にとっては、火を通さない状態では「毒」なのです。先にあげたリシェは、このウナギの持つ毒によって、アナフィラキシー・ショックの正体を明らかにしました。現在、その明らかにされた医学的知見によって、多くの人の命が救われているのは間違いないところでしょう。
・「おばけ」の正体を明らかにすること
江戸時代、鎖国していた当時の日本で「土用の丑の日」をウナギを食べる日として広めたといわれる平賀源内は、日本初の油絵を描いたり、展示会を企画実施したりと、好奇心旺盛に何でも試してみるマルチタレントとして人々に知られていたそうです。
「おばけ」という日本語には「正体がわからないもの」という意味があります。しかし正体が分からないからといって、先入観によって、目を逸らしたり、しかめていたりしては科学の進歩はありません。科学の多くは「正体の分からない不思議なモノの正体を明らかにする」ところからスタートしているのです。
平賀源内は、若い頃に、当時「本草学」と呼ばれていた学問を学んでいます。この学問は、当初、薬になる植物や鉱物を研究する「薬学」の一つだったものが、やがて、生物や鉱物を収集し、分類・整理する博物学としての性格を併せ持つようになったものといわれています。「おばけ」の正体を明らかにする当時の学問、「本草学」は、好奇心旺盛な彼にはうってつけだったのでしょう。
私たちも、先入観なしに「正体の分からない『おばけ』について、その正体を明らかにする」スタンスで研究を行い、明らかにした知見については、平賀源内ばりのバイタリティで、人々の生活に役立てていく必要があるのではないかと思います。
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