ホーム > ホームセキュリティ > 月水金フラッシュニュース > 月水金フラッシュニュース・バックナンバー > ネットバンキングの不正送金のターゲットは地銀の法人口座に
先週、インターネットバンキングの不正送金の状況が警察庁から発表になりました。
2014年上半期の被害の総額は18億5200万円で、2013年下半期の11億9300万円を超え、半期ベースで、これまでの最高となりました。1件あたりの被害額も過去最高で、148万円に上っています。
皆さんも、いろいろな場面でインターネットバンキングを利用されていると思います。全国銀行業協会の調査によると、インターネットバンキングの利用率は、2012年時点で6割以上となっています。
民間調査機関が調べた最近の利用率をみると、7割程度まで伸びてきています。今後、ますます利用する方が増えてくると思われます。
法人の被害額が10倍に
被害額をみると、個人の口座が12億8000万円、法人の口座が5億7200万円となっており、個人の被害が多い状況となっています。しかし、前回の2013年下半期と比較すると、個人の被害額が1.14倍であるのに対し、法人の被害額は7.63倍にまで拡大しているのです。
右の図は、金融機関別の被害額とその伸びを示したものです。個人口座では、都市銀行、地方銀行ともに1倍ちょっとの伸びに収まっていますが、法人口座では都市銀行で5倍弱、地方銀行に至っては10倍以上と伸びが大きくなっています。個人被害額と法人被害額の比をみると、2013年下半期は9対1程度でしたが、2014年上半期は7対3と、法人の比率が上がってきています。
セキュリティ対策が弱いパソコンが狙われる
不正送金の手口はいくつかありますが、パソコンにメールを介してウイルスを送り込まれ、フィッシングサイトに誘導されたり、パソコンを乗っ取られたりして、金融機関へのアクセス情報を盗み取られるケースがあります。セキュリティレベルの脆弱なパソコンは、ターゲットにされやすくなります。特に、サポートが終了したWindows XPをOSとしたパソコンは、セキュリティレベルが落ちていますので、注意が必要です。
総務省が地方公共団体を対象に、Windows XPの使用状況を調査した結果によると、2014年4月時点で、保有するパソコン全体のうち、13.0%がXP搭載機であったようです。企業でも、似たような状況となっているところもあると考えられます。多くの企業は、地元の地方銀行などの金融機関をメインバンクとしているケースが多いと思います。そこにアクセスするパソコンの中には、XP搭載機も含まれているのではないでしょうか。
XPでインターネットバンキングはダメ
業務の都合上、XPを必要とするソフトを利用する場合もあるかと思います。しかし、提携企業への支払い、従業員への給与の振り込みなど、ネットに接続する必要のあるパソコンは、OSを新しいものとし、セキュリティ対策をしっかりと行ったものにしていただきたいと思います。
個人のパソコンも同様です。また、Adobe ReaderやFlash Playerなども最新の状態にしておいてください。皆さんのパソコンが踏み台となって、不正送金などの犯罪に加担することもあります。自分の安心のためであるのと同時に、他の人たち安心のためにも、パソコンのセキュリティ対策はしっかりと行っていただきたいと思います。
セコムIS研究所
リスクマネジメントグループ
濱田宏彰
口座別の不正送金被害状況
(警察庁)
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