ホーム > ホームセキュリティ > 月水金フラッシュニュース > 月水金フラッシュニュース・バックナンバー > 阪神淡路大震災から20年 〜非常用食料より大事なもの〜
今週末は、阪神淡路大震災から、ちょうど20年という日です。先週は、地震から命を守る対策について振り返ってみましたが、今回も、地震災害について考えてみたいと思います。
皆さんは、非常用持ち出し袋を準備されていますでしょうか。家族分の水や食料を準備しています。という方は多いかと思います。また、情報を得るために、ポータブルラジオを準備している。という方も多いと思います。
災害時に必要なものは、年齢・性別・病状など、さまざまな条件で変わってきます。しかし、どんな人でも絶対に必要なものがあります。住宅や家具に押しつぶされないで、助かった後に何が必要でしょうか。
災害時、3時間くらいでトイレに行きたくなる
大きな地震が発生したら、電気・ガス・上下水道といったインフラが使えなくなる可能性があります。夜間の照明として、懐中電灯などの灯かりは必要です。最近では、LEDを使用して、省電力としたランプなども増えています。食料を暖めたり、お湯を沸かしたりするのに、カセットコンロを準備しておくのも良いでしょう。また、電気がないとエアコンやファンヒーターは動きません。石油ストーブをストックしておいても良いでしょう。
そして、意外と忘れられていて、かつ実は、とても重要はものがトイレです。今の時代、2〜3日、食べなくても餓死することはないでしょう。しかし、食べなくてもトイレは行きたくなるものです。阪神淡路大震災の時の調査では、3時間以内にトイレに行きたくなったと答えた方は、55%に上ります。先の東日本大震災での調査でも、3時間以内と答えた方が31%、4〜6時間と答えた方が36%となっています。平常時は、一日5〜6回だそうですが、災害時などで寒かったり、高齢の方だったりすると、もっと頻度が上がります。
非常用トイレの準備を
地震によって、水が流れない、下水が使えないということが起こってきます。水が流せないのに、そのままトイレを使ってしまうと、非常に面倒なことになります。さらに、仮設トイレは、すぐには避難所には行き渡りません。それを考えた場合、重要となるのは、非常用トイレということになります。
自宅が倒壊する危険性がないのであれば、自宅のトイレに非常用トイレをセットするのが良いでしょう。吸水シートや凝固剤などで水分を安定させるタイプを、準備しておくことをお勧めします。また、介護などでおむつのストックがあるのであれば、吸水パッドを活用する方法もあります。
震災関連死の原因がトイレの場合も
災害時に、掃除もせずにトイレを使い続けたら、目も当てられないような大変なことになります。不衛生になると、病気の原因にもなります。また、そんな汚れたトイレに行きたくないからということで、水分の摂取をしなかった人も多数いたといいます。
阪神淡路大震災の死者6400人余りのうち、1000人ほどは関連死と言われます。東日本大震災後に、脳梗塞で亡くなった方が、一時は震災関連死と認められずにいましたが、先日、その認定を覆す判決が仙台地裁であったばかりです。震災そのものの難を逃れて生き延びられたにも拘わらず、その後の生活環境の悪化によって、脳梗塞や心筋梗塞で亡くなった方も少なくないのです。その原因の一つとして、トイレの問題も小さくないのです。
前回も書かせていただきましたが、大きな震災は、いつか必ずやってきます。特に、大都市では、ものすごい人数の被災者が出る恐れがあります。そんな中で、自治体や国などの公助は期待できません。できる限り、自分で生き延びる方法を考えておく必要があるのではないでしょうか。
【参考情報】
・非常用トイレもセットされている「セコム・スーパーレスキュー」
セコムIS研究所
リスクマネジメントグループ
濱田宏彰
発災から何時間でトイレに行きたくなったか
(日本トイレ研究所調べ)
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