ホーム > ホームセキュリティ > 月水金フラッシュニュース > 月水金フラッシュニュース・バックナンバー > 被害総額500億円を突破した特殊詐欺
2014年の特殊詐欺の被害状況について、警察庁から確定値が発表されました。2月の暫定値では、特殊詐欺の被害総額は559億4000万円となっていましたが、確定値では565億5000万円となりました。
内訳は、振り込め詐欺が379億8000万円で前年比増、振り込め詐欺以外の特殊詐欺が185億7000万円で前年比減となっています。また、1件あたりの被害額をみると、特殊詐欺全体では1件あたり454万円、振り込め詐欺に限ると365万円、振り込め詐欺以外の特殊詐欺については908万円と高額になっています。これらの1件あたり被害額は、いずれも前の年に比べて増加しています。
振り込め詐欺以外の特殊詐欺の増加率がマイナスに
ついに、被害総額が500億円を突破し、被害が拡大している特殊詐欺ですが、2014年はちょっと状況が変わってきています。被害総額の前年比を示したものが右の図です。
まず、右上の図の振り込め詐欺についてですが、2010年以降は増加率が増えており、2013年は前年比で61%増となっていました。ところが、2014年は47%増と、増加分を減らしています。また、右下の図の振り込め詐欺以外の特殊詐欺については、2013年は前年比13%増とプラス域にありましたが、2014年はマイナス20%となりました。つまり、先に示したように、被害額が前年比減に転じたのです。
1件あたりの被害額が高額となっている金融商品詐欺
振り込め詐欺、振り込め詐欺以外の特殊詐欺のいずれも、被害総額の増加率が鈍化もしくは減少となっていますが、個別にみると被害が小さくなっているとは言い切れません。それぞれの1件あたりの被害額を見てみましょう。
振り込め詐欺は、オレオレ詐欺、架空請求詐欺、融資保証金詐欺、還付金等詐欺の4種類ですが、1件あたりの被害額が高いものは、架空請求詐欺の577万円です。次いで、オレオレ詐欺の360万円、融資保証金詐欺の155万円、還付金詐欺の104万円となっています。また、振り込め詐欺以外の特殊詐欺は、金融商品等取引名目、ギャンブル必勝法情報提供名目、異性との交際あっせん名目、その他の4種類です。
これらのうち、1件あたりの被害額が高いものは、金融商品等取引名目の1078万円です。次いで、異性との交際あっせん名目の604万円、ギャンブル必勝法情報提供名目の599万円となっています。しかし、これらに分類できない"その他"が803万円と高額になっていることが気になります。
これらの中で、架空請求詐欺や金融商品取引名目詐欺については、被害件数が多かったり、被害額が高額だったりということで、警察庁では「金融商品詐欺」として重点的に取り扱うようにしています。オレオレ詐欺と還付金詐欺とを合わせて「重点3類型」として、捜査や予防に力を入れていくとのことです。
ご自宅の施錠と合わせて心の施錠もしっかりと
近年横行している特殊詐欺は、ご家庭の防犯対策を十分にされている方でも、電話一本もしくはメールやはがき一通で、「詐欺」というドロボウに遭遇してしまう状況になっています。ご家庭の物理的な防犯対策だけではなく、特殊詐欺に関する知識や心構えといった心理的対策についても、しっかりと準備しておいてください。
金融機関などでの対策や、電気メーカーなどの振り込め詐欺撃退用電話の発売、警察の犯人検挙など、社会全体で特殊詐欺に立ち向かう風が吹いていると思います。みんなで協力して、特殊詐欺撲滅を目指しましょう。
【参考情報】
・データから読む「特殊詐欺の被害総額対前年比を"減少"に変えるには?」
セコムIS研究所
リスクマネジメントグループ
濱田宏彰
被害総額の対前年比(上:振り込め詐欺、
下:振り込め詐欺以外の特殊詐欺)
(警察庁の統計をもとに作成)
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