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・もう間もなくの「マイナンバー」
もう間もなく、私たちの一人ひとりにそれぞれの「マイナンバー」(12桁の個人番号)が通知され、マイナンバー制度がスタートします。
マイナンバーを使うことで、社会保障や納税などの面倒な行政手続きが簡単に行えるようになる、手続きが早くなるなど、私たちにとって実際のメリットがあるのは間違いありません。また、公的な給付金などの不正受給の防止になるのも確かなところでしょう。
・個人情報保護法も改正される
現在、世の中はマイナンバーの導入準備が進んでいます。源泉徴収などの税関係の事務や、公的な社会保険などの手続きにも欠かせないものになるからです。「マイナンバー」は、「個人情報そのもの」であるため、それを扱う事業所には厳格な管理と運用が求められるようになります。
この「マイナンバー導入」に関係した動きとして、「個人情報保護法の改正」のための審議が、今開かれている国会で行われています。今の法律が2005年に施行されたものなので、施行後10年目で、はじめて本格的な改正が行われる形です。
・個人の「そもそも」と人々の認識
「個人」は、今では頻繁に使う日本語になっていますが、もともとは、明治17年(1884年)に、当時の欧米の立法や行政などの制度を導入する際に、「Individual(個人)」という言葉が指し示している概念を、日本語で言い表す必要性から、人工的に作られたものです。日本の格言やことわざの中に、人(ひと)という言葉が容易に見つかるのに対し、個人を見つけるのが難しいのはそのためです。
キリスト教では、今から800年前の昔、1215年に、自らの罪を神に告げて許しを請う告解と呼ばれる儀式を、信仰の証として義務づけました。この告解で、神の前に「一人の人間として佇(たたず)むこと」によって意識されるようになったのが、「Individual」の始まりと言われます。
唯一神との対峙という重い経験をベースとして「Individual」という言葉を使い、「個人情報保護」という世界的な潮流を生み出した社会と、当時の先進諸国の国家体制を輸入する必要性から個人という言葉を人工的に作り出した社会では、生活する人々の「個人」そして「個人情報」に対する、そもそもの認識が異なっている可能性があります。
日本では、いまだ「個人」という言葉に「借り物」という性格が残り、これが指し示す概念にはっきりしないところがあるのではないかということです。これが、個人(という概念)、そして個人情報に対する認識のブレを生み、現行の個人情報保護法が世に導入される際に、人々に対して、時に必要を超えた不安感を与えた原因の一つではないかと思います。
・個人情報を「有効に利活用」しよう
現行、個人情報保護法の目的に、「個人情報の有用性に配慮しつつ」という一節があります。今回の、改正法案では、この目的の部分が、「個人情報の適正かつ効果的な活用が新たな産業の創出ならびに活力ある経済社会および豊かな国民生活の実現に資するものであることその他の個人情報の有用性に配慮しつつ」となっており、個人情報を「有効に利活用」することを相当に意識しています。実際、個人情報を「有効に利活用」しなければ、情報技術の進歩を享受した、便利で効率的な、これからの社会を実現するのは難しいでしょう。
現行の個人情報保護法の施行時に、世の中において一部行き過ぎではとも感じるさまざまな反応が見られたことを覚えているかたも多いかと思います。今回のマイナンバーの導入、及び個人情報保護法の改正においては、これの二の舞に注意する必要があります。個人情報が不安の大本ではあってはいけないのです。
「個人情報」のセキュリティへの最大限の注意は言うまでもありませんが、私たちは、今回のマイナンバー、そして個人情報保護法改正の理念や目的を、十分に理解し意識する必要があります。個人情報を「有効に利活用」するメリットを大いに生かし、便利で安心な世の中を作っていかなければならないからです。
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