自由時間が増える夏休み...携帯ゲーム機からのインターネットアクセスについて考える
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セコムの舟生です。
夏休みは、子供の自由な時間が増えますね。普段から「だれと」「どこで」遊ぶのかは、どの保護者も気にかけていることだと思いますが、「なにをして」遊ぶのかを確認することも大切です。
最近は、外にいても携帯ゲーム機で遊んでいる子供たちを見かけますが、普及が進む一方、その携帯ゲーム機からのインターネットアクセスが問題になっています。
そこで今回は、携帯ゲーム機からのインターネットアクセスについてお話したいと思います。
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▼ 携帯ゲーム機でインターネットができるの!? 子供に携帯電話を買い与えるかどうかを考えるとき、「有害サイトへのアクセスをどう防ぐか」ということや、「トラブルに巻き込まれないかどうか」などを心配されることと思います。しかし、携帯ゲーム機の場合はどうでしょうか。お子さんが持ち歩いている携帯ゲーム機から、出会い系サイトや学校裏サイト、アダルトサイトなどへ簡単にアクセスできるという事実を、皆さんは把握していますか?携帯電話やパソコンと同じようなインターネット利用の問題を、携帯ゲーム機もはらんでいます。安全にインターネットを利用するための対策は、携帯ゲーム機にも必要なのです。
▼ 警視庁も注意を促す「野良アクセスポイント」を使ったインターネット接続
今春、警察博物館で「警視庁フィルタリング特別展2010 ~子の携帯 フィルタリングは親の義務~」というイベントが開催されました。携帯電話からの有害サイトへのアクセスを制限する"フィルタリング"をテーマに、さまざまな展示が行われましたが、そのなかで「野良アクセスポイント」の危険性が紹介されています。最近は一般家庭でも無線LANを設置することが珍しくありませんが、適切なセキュリティ設定が行われていないと、電波が届くところなら、だれでもインターネットに接続できてしまうという現象が起きます。第三者の電波を勝手に拾える場所、つまり「野良アクセスポイント」を利用して、携帯ゲーム機からインターネットに接続する子供たちが増えているのです。
▼ 危険をはらんだ無線LANの"タダ乗り"
近年は、接続した人の通信内容を盗むために、意図的に野良アクセスポイントを設置する例も確認されています。子供の個人情報が流出したり、それを悪用されたりする可能性も否定できません。野良アクセスポイントを使ったインターネット接続には、想像もつかないような犯罪の芽が潜んでいる可能性があります。保護者のみなさまも危機感を持ち、お子さんの携帯ゲーム機の利用状況に注意を払うようにしてください。
▼ 不正利用「しない」「させない」ためにできること
1999年に成立した「不正アクセス行為の禁止等に関する法律」では、他人のIDやパスワードを盗んでアクセスする行為を禁じていますが、無線LANを勝手に使うこと自体の違法性については触れていません。しかし、人のモノを黙って使うことには変わりなく、モラルと良心に関わる問題だと言えます。他人の無線LANを勝手に使うことは「悪い」こと。
そして「危険」なこと。このことを十分にお子さんに言い聞かせ、日ごろから「携帯ゲーム機で遊ぶときのルール」を家族で話し合っておくことが大切です。時間や場所についてのルールを決めているご家庭は多いと思いますが、ネット環境についても安全にゲームを楽しめる環境を整えてあげるのは大人の役割です。
携帯ゲーム機から有害サイトへのアクセスを防ぐためには、まずはゲームのペアレンタルコントロール機能などを用いてパスワードを設定し、無線LANの設定を勝手に変更できないよう親が管理することができます。また携帯電話やパソコンからのインターネット利用と同様、フィルタリングサービスも有効です。活用してみてはいかがでしょうか。特定サイト以外はアクセスできないようゲーム機本体に設定できるものもありますので、一度お子さんからゲーム機を預かって確認することをおすすめします。
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携帯ゲーム機も立派な情報端末。単なる"子供のおもちゃ"と侮れません。子供にプレゼントしておしまい、ではなく、保護者もある程度の知識を持っておくことが大切です。夏休みを利用して、子供がどのように携帯ゲーム機を使っているのか、親子でコミュニケーションを取りながら把握してみてはいかがでしょうか。ゲームを一緒に楽しむ気持ちでコミュニケーションを図れば、うまくいくと思いますよ。2010.07.30