ウチの子は大丈夫?「ながら歩き」「歩きスマホ」の危険
-
セコムの舟生です。
歩行中にスマートフォンや携帯電話を操作することの危険性が問題になっていますね。
2013年5月には、携帯電話を操作しながら駅のホームを歩いていた小学生の男の子が誤ってホーム下に転落する事故がありました。
スマホや携帯電話の操作に限らず、何か別のことに気を取られながら歩いたり、自転車に乗ったりすれば事故になりかねません。
子どもの場合は、大人よりも視野が狭いうえ、何かに熱中すると周りが見えなくなる傾向があるので、大人よりもさらに危険。
今回は、子どもの「ながら歩き」の危険を考えます。
* * * * * * * * *
▼ スマホや携帯電話の「ながら歩き」で起きる事故の特徴
歩きながらスマートフォンを操作するいわゆる「歩きスマホ」。
駅では注意喚起のポスターや貼り紙が見られるようになりましたが、そもそも「歩きスマホ」をしている人はそういったものを見ておらず、「歩きスマホ」は、街中のいたるところでおこなわれているのが現状です。「歩きスマホ」に限らず、「ながら歩き」によって、大事に至らないまでも他人とぶつかりそうになったなど、ヒヤリハットを経験した方はかなり多いのではないでしょうか。
東京消防庁によれば、スマホや携帯電話を操作しながら歩いたり、自転車に乗ったりするなどして起きた「ながら事故」は、「ぶつかる」が最も多く、ついで「転ぶ」、「落ちる」の順になっています。「ながら事故」全体の約98%をこの「ぶつかる」「転ぶ」「落ちる」が占めているそうです。
実際に起きた事例から、具体的な状況を見てみましょう。
「ぶつかる」
・通話しながら路上を歩行中、電柱に激突して右眉部にけが
・ディスプレイを見ながら歩行中、自動ドアに頭をぶつけてけが「転ぶ」
・メールをしながら歩行中、歩道上の柵に張られたチェーンにひっかかり転倒
・操作しながら階段をあがっていたところ、つまずいて転倒し、頭にけが「落ちる」
・通話しながら下りエスカレーターを駆け足で降りたところ、途中で転げ落ちてけが
・操作しながら駅のホームを歩行中、線路上に誤って転落してけがいずれも、路上や階段・エスカレーター、駅のホームなど、ごく身近な場所で起きた事故ばかりです。
ご紹介した事例の中には、大人ばかりではなく、小学生以下の子どもも含まれています。
▼ 子どもの「ながら歩き」は大人より危ない?
「歩きスマホ」をはじめとした「ながら歩き」は、自分では「周りも見えている」と思っているのに、実は「見えていない」ことが問題です。スマホや携帯電話の画面を操作していれば、視界の一部をディスプレイで遮られているので、足元の危険に気づくことができません。手元の操作に集中して意識が別のところに向かってしまい、目の前に近づいている危険に気づけないこともあります。
つまり「見てはいるのに見えていない」状態。
たとえ危険が視界に入ったとしても、きちんと認識できないということです。子どもはまだ体が小さいので、大人と比べて視点が低く、また視野も大人に比べて狭いです。
大人が左右150度、上下120度程度なのに比べて、5~6歳の子どもは左右90度、上下70度程度の視野しかないそうです。スマホや携帯電話の「ながら歩き」をすれば、事故が起きる確率は大人よりも当然高くなると言えますね。
▼ 屋外では歩くことに集中!事故だけではなく犯罪の予防にも
スマホや携帯電話を所持していないお子さんも、携帯ゲーム機を操作しながら道を歩いたり、本やマンガを読みながら歩いたりすることはありませんか?
友だちとのおしゃべりも、夢中になりすぎれば危険な「ながら歩き」になることがあります。屋外に出たら「歩くこと」に集中することが大事です。
家の中や、学校、公園で過ごした延長で、そのまま道を歩くのではなく、「よし、外に出たから周りをよく見よう。車は来ないかな?危ないことはないかな?」というように、目の前で起きていることに目と頭の照準を合わせるようにしましょう。
また、周囲に目を配って歩いている子どもは、緊張感が漂っているので、不審者なども狙いにくいものです。反対に、何か別のことをしながら、心ここにあらずといった様子で歩いている子は、不審者につけ入るスキを与えてしまいます。
事故だけではなく、犯罪抑止の観点からも、「歩くことに集中」するのは大事なことなのです。
* * * * * * * * *
塾や習い事などで、帰りに携帯電話やスマホから電話をかけてくるお子さんも多いと思います。
歩きながら電話をかけていないか、安全な場所かどうか見極めたうえで電話をかけているか、一度お子さんに確認してみてください。ぜひ「ながら歩き」の危険について、ご家庭で話し合う機会を持ちましょう。
2014.09.25