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子どもの「思わぬ事故」を防ぐには?安全管理の先端事情をレポート

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セコムの舟生です。

キッズデザイン協議会の小野裕嗣専務理事とキッズデザイン賞受賞作を見学。子どもの思いがけない行動でヒヤリとする場面に遭遇することは、珍しいことではありません。
特に幼児期には、「危ない!」と声をあげてしまう出来事の連続ですよね。

これまで、「チャイルドシート」や「子どもの窒息」にかんする注意喚起として、[ヒヤリハットを見過ごすな]と題して、ご紹介してきました。ほかにも、ブラインドひもの事故や、子どもの事故防止についてもご紹介しています。

子どもの事故につながる「危険の芽」は、生活の中に潜んでいるのです。

家具の角に頭をぶつけたり、ちょっとした隙間に指を挟んだり、床に落ちているものを口に入れそうになったり...保護者がどれほど注意していても、事故が起きてしまうこともあります。

こうした子どもの「思いがけない事故」は、どのようにしたらなくすことができるのでしょうか?

簡単な方法は、子どもにとって危険なものを、子どものそばに置かないこと。
もうひとつの方法は、子どもにとって安全な製品を選ぶこと。

どちらの対策を講じるにしても、「子どもにとって何が危険になりうるか」を知識として持っておく必要があります。

そこで今回は、安全に関するさまざまな展示が集まる「セーフティグッズフェア」にお邪魔してきました。子どもを事故から守るために取り組まれている先端事情をご紹介します。


* * * * * * * * *


▼ 子どもの安全を学べる「セーフティグッズフェア」
「セーフティグッズフェア」は、独立行政法人科学技術振興機構が主催する「サイエンスアゴラ」というイベントに出展された展示会です。11月7日~9日までの3日間、東京お台場にある都立産業技術研究センターでおこなわれました。

「キッズデザイン賞」受賞商品など、子どもの事故防止の視点で開発された製品のほか、子どもの事故への注意喚起をする展示が集まっていて、「何が危険か」「どうすれば防げるか」を学ぶいい機会になりました。

「セーフティグッズフェア」を主催するのは、NPOキッズデザイン協議会。
専務理事の小野裕嗣さんによると、キッズデザインの取り組みは、子ども向け製品だけではなく、大人が使う製品や日常で使われるものにもどんどん広がってきているとのこと。病院で使う医療用品や食料品など、ジャンルにも広がっているそうです。

「キッズデザインは、子どもが接するすべてのものが対象。それにいち早く気付いた企業が、自社製品に『子ども目線』を取り入れるようになってきているんです」と小野さん。

「子どもの安全安心につながる工夫は、目立つものばかりではありません。製品に隠された小さな配慮が子どもの命を救うこともあります。世の中にはいろいろな製品がありますが、子どものために何か選ぶときには、『子ども目線の工夫』がされているかどうかに注目していただきたいですね」とのことでした。


▼ 子どもを事故から守るための取り組み
会場内は、たくさんの展示で賑わっていました。どれも興味深く、時間を忘れて見入ってしまいます。なかでも私が気になった展示を3点ほど、ご紹介します。

◎ 「ブラインドひも」の工夫
ブラインドひもによる事故を防ぐための取り組み。紐を束ねるクリップ(左)と、重みでつなぎ目が外れるジョイント(右)は既成の製品にも取り付けられます。 ふだん使っているブラインドやスクリーンのコードやチェーンのループ部分に首や手足が引っかかり、思わぬケガにつながることもあり、消費者庁でも注意喚起されています。

過去に発生した事故を受け、日本ブラインド工業会が取り組んだ安全対策。
それが「コードやチェーンを子どもが届かない位置に束ねられるクリップ」「子どもの体重がかかるとコードのつなぎ目が外れるジョイント」の開発です。
すでにご家庭で使っているブラインドやスクリーンにも、クリップとジョイントは取り付けられます。

ブラインドからぶらさがったひもは、子どもにとっては格好の遊び道具。
思いもよらない行動が突然の事故につながることがあるので、少しでも多くのご家庭でこれらの安全対策を取り入れてほしいと思います。


◎ 「子ども服」に潜む危険の芽
かわいらしいデザインにも「危険の芽」が潜んでいます。東京都が出展したブースでは、子どもの不慮の事故事例を紹介。
どのような状況で事故が起きたのか、ミニチュアなどを使ってわかりやすく展示していました。子どもの事故統計をもとにした展示は行政機関ならではで、私もあらためて勉強になりました。

そのなかで興味深かったのが、子ども服の展示です。
どれもよく見かけるかわいらしい子ども服ばかりなのですが、「危険の芽」が潜んでいました。

たとえば、フードやひも。遊んでいる最中にそれらが引っかかって、窒息する事故なども起きています。
またズボンの裾に使われた調整用のコードにも危険があるそうです。自転車に引っかかったり、エスカレーターに巻き込まれたりします。
意外だったのが女の子の服のスパンコール飾り。手を切るなどのケガにつながることもあるそうです。

いずれもデザイン的なもので、機能面から見れば不要なものがたくさんあることに気付かされました。子どもの服選びをする際には注意してください。


▼ 舟生が気になった展示をご紹介!
図鑑を親子で一緒に見れば、コミュニケーションが豊かになりそうです。キッズデザイン賞は、「子どもたちの安全・安心に貢献するデザイン」「子どもたちの創造性と未来を拓くデザイン」そして「子どもたちを産み育てやすいデザイン」という3つの理念に沿って選出されており、おもちゃや本、保護者が使いやすい商品なども含まれています。

そのうち、「子どもたちの創造性と未来を拓くデザイン」で受賞したのが、「小学館の図鑑NEO 本物の大きさ絵本」。
名前の通り、原寸大で撮影された動物たちが堪能できる図鑑です。ページをめくると、「大迫力!」のひとこと。大人の私も思わず興奮してしまいました。

写真は毛の1本1本まで写し取られており、思わず触って質感を確かめたくなるほど。ライオンなどの大型動物は見開きをさらに広げられるようになっていて、本物の大きさをそのまま感じられるようになっています。これほど間近に動物をまじまじと見る機会は、動物園でもありません。「本物を知る」ことは、子どもの成長においては大きな糧になりますので、機会があったらぜひ見ていただきたいと思いました。


* * * * * * * * *


「セーフティグッズフェア」の展示には、子どもの健やかな成長につながるヒントがたくさんありました。
常に「子どもの目線」で周囲を見回すことが、安全安心にもつながります

2014.12.01

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