ホーム > ホームセキュリティ > 月水金フラッシュニュース > 月水金フラッシュニュース・バックナンバー > 産業界の製品安全への取り組みと消費者としての注意点
この9月で消費者庁が発足してから丸一年。同庁が発表するプレスリリースなどの影響もあってか、以前よりも製品安全に関する情報に人々の注目が集まるようになってきています。扇風機やテレビ、エアコンからの発火、携帯音楽プレーヤーの発熱など、注意をして世の中を見回すと多くの家庭製品が事故を起こし、リコールの対象となっていることに気が付かれると思います。皆さんがご自宅でお使いのさまざまな家庭製品、大丈夫だと胸を張って言い切れますか。
「今の時代、ネット検索という手段によって、世の中で起こっている大体のことは分かるのです」。前回のコラムの冒頭部で書いたこの一文ですが、これは製品安全の場合もそのまま当てはまります。ご家庭でお使いの製品で少しでも不安に思われた方は、ぜひ型番などでネット検索してみてください。多くのメーカーが、製品不具合などの情報を自らのウェブサイトに載せ、経済産業省などの省庁も法に基づいて報告された製品事故に関する情報をネットで公開していますので、製品に何かしら不具合があった場合、まず間違いなくヒットしてきます。
私事ですが先日、長年使ったガスコンロの調子がおかしくなったため、新しいものに買い換えました。新しく買ったガスコンロは、すべてのガスバーナー部に調理中の過熱や、立ち消えを検知するためのセンサーがあって異常を検知するとガスが遮断される機能がついているため安心して使うことができます。
実は、現在世の中で販売されているガスコンロには、そこから発生する火災を未然に防ぐために、さまざまな安全機能を設けることが義務づけられており、新たに購入したコンロに搭載された種々の機能はそれに基づいたものなのです。今のガスコンロに搭載された「安全機能」は、ガス会社やガス機器メーカーなどのガス関連業界で作った「あんしん高度化ガス機器普及開発研究会」で検討された内容が結実し、法制化された成果として、世の中に出ています。この機能を持たないガスコンロの新規製造・販売が禁じられていることは、ガスコンロ事故によって発生する火災を減らそうとする、業界全体の意志の現れと言っても良いのかもしれません。(ガスコンロからの失火は、放火を除く火災原因の1位となっています)
産業界における製品事故を減らす取り組みの例として、ガス関連業界の試みを紹介しましたが、これはガス関連業界にとどまりません。消費者に製品を供給している多くの企業や業界において、製品に由来する事故をなくすための舞台裏での努力が続けられています。セコムも関わり、多くの企業や自治体などが参加している「キッズデザイン協議会」の活動なども、その一環と言えるでしょう。
消費者サイドにいる私たちとしては、各企業や業界で行われている、舞台裏での製品事故防止への努力に敬意を払いつつ、世の中に発表される「情報」に目を光らせ、何かあった場合は素早いアクションを起こすことが、自らの安全を守るために重要になってくるのではないかと思います。前回のコラムで、「犯罪から自らの身を守るためには、世の中の『情報』に注意することが大切」である旨を書きましたが、これは犯罪から身を守る場合に限らないのです。
(参考)
・消費者庁ウェブサイト
・製品安全ガイド(経済産業省)
・キッズデザイン協議会
・子供の事故とキッズデザイン協議会の活動(セコムIS研究所ウェブサイトコラム)
・セコム・コンロ火災自動消火システム「トマホークジェットアルファ」
セコムIS研究所
セキュリティコンサルティンググループ
甘利康文
子どもの安全ブログ | おとなの安心倶楽部 |
女性のためのあんしんライフnavi |