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私ごとですが、先日、自宅にあった古いラジオを修理に出し、無事動くようになって戻ってきました。古いラジオなので、すでに補修の部品がなくなっていると思いましたが、幸いにも修理はできたようです。また、冷蔵庫もそろそろガタがきており、プラスチックの部品が割れかけて扉が閉まりにくくなっていました。こちらは素人修理で、接着剤で補修しました。
「諸行無常」は、物理学の法則でもある
平家物語の冒頭には、「諸行無常」という言葉があります。この世に存在するあらゆるものは移ろうという意味合いです。つまり、この言葉の通り「形あるものは必ず壊れる」のです。これは、物理学の法則にもなっている「自然の理」であり、これに対抗することは、残念ながら誰にもできません。
古くから使われ続けている設備や建物もある
しかしながら世界には古くから存在し、今も使われている多くのモノがあります。たとえば、古代ローマ帝国の時代に作られた「ローマ水道」がそれに当たります。日本でも、熊本で江戸時代に作られた水道が使われている例があります。水道設備以外にも、やはりローマ時代に作られたパンテオン神殿や、世界最古の木造建築である法隆寺などの建物も、その例としてあげられるでしょう。
世に存在する、設備や機器、建物など、「人が意図して作ったモノ」は、それが作られた瞬間から、「自然の理」に従って、どんどん朽ちる方向に向かいます。そのため、モノを長年使っていると、やがてその調子はおかしくなり、それがあるレベルを超えると壊れて使えなくなります。先にあげた古くからの水道設備や建物も、その例外ではありません。
なぜ古いものを使い続けることができるのでしょう
さて、それではこれらの設備や建物は、なぜ物理学の法則にもなっている「形あるものは必ず壊れる」という「自然の理」から逃れ、現在も使うことができるのでしょうか。実は、その答えはすでに今回のコラムの冒頭に示してあります。
古くから存在し、現在も使われている設備や建物は、ただ一つの例外もなく、何らかの形で、点検や補修、修理などの、人によるメンテナンスが行われています。これが唯一、人が「形あるものは必ず壊れる」という自然の理に対抗する方法なのです。世には多くの遺跡が存在します。ローマ時代よりも新しく、戦火や災害などにさらされなかったにも関わらず、遺跡になってしまっているものも少なくありません。何らかの理由により、メンテナンスがされなくなったことが原因で、朽ちてしまったものです。
モノを大切に長く使うためのコツとは
住まいや機器などを長持ちさせるためには、それに対するメンテナンスは欠かせません。広い意味でのセキュリティとは、「あるオペレーションが、あらかじめのプラン通りに進み、理由によらずそれが妨げられないこと」です。その意味で、機器や設備などのメンテナンスは「広い意味でのセキュリティ対策」にあたります。
また、私たちの肉体も「形あるものは必ず壊れる」という「自然の理」に対抗するためには、「広い意味でのセキュリティ対策」を必要とします。「点検や補修、修理などのメンテナンス」が欠かせないということです。通常、このメンテナンスは、免疫や代謝などの生物の体が持つ働きによってなされますが、それがうまくできなくなったときは私たちの肉体も人為的な「広い意味でのセキュリティ対策」を必要とします。そのセキュリティ対策は「医療」と呼ばれます。
世に存在する全てのシステムは、例外なくメンテナンスによってその機能が維持されています。身の回りの機器や、体調などに変調を感じたら、早い時期に「広い意味でのセキュリティ対策」を施すように心がけてはいかがでしょうか。その心がけこそが、モノを大切にし、長く使えるようにする秘訣なのです。
(参考)
・安心豆知識「『平穏な日々の生活』が続くことこそ大切」 (2011/5/9)
セコムIS研究所
セキュリティコンサルティンググループ
甘利康文
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